PET検査で最適な治療と有効な抗がん剤が見つかる?!

早期発見を望むなら知っておきたい情報
~そもそも「がん」って何?~

ガンに対する正しい知識

正常な細胞と、がん細胞は元々同じ細胞ですが、そこに何らかの変異が加わり細胞ががん化してしまいます。
がん化した細胞は、正常な細胞まで浸食しはじめ組織を破壊していきます。また、がん化した細胞は勝手に増殖、転移といった動きをみせるため、血液やリンパ液の流れにのってしまうと全身に広がってしまいます。
がん細胞は、増殖に必要な栄養分を体から奪っていくため、正常な細胞にまで栄養が行き渡らず身体機能が低下していくという悪循環に陥ってしまいます。こうなってしまうと、宿主である人間は徐々に栄養不足となり、やせ衰えてしまうのです。

早期発見であればガンは完治させることが可能

がん治療と完治、この構図は早期発見に限り可能となっています。がん化した細胞が小さい場合なら、手術により一部分の摘出で対応することもできます。しかし、初期段階のがんは自覚症状がほとんど無いため、患者自身は変化に気づくことができず、結果的に治療が難しい段階での発見となってしまうのです。また、自覚症状のあらわれ方には個人差もあるので、病気を見極める上の判断材料としては正確さに欠けてしまうこともあります。安易な自己判断を行なうよりも、定期検診を受けることで早期発見が行なえるようにしましょう。ある程度の年齢になったら、自らがん検診を受けるように心がけておきましょう。

細胞に目印を付けて効率よくガンを見つけ出す
~細胞の性質を調べる検査~

がん早期発見に期待大!話題のPET検査とは?

近年、がんの早期発見につながる「PET検査」に注目が集まっています。
PET=ポジトロン・エミッション・トモグラフィーは、陽電子放射断層撮影を用いて行なう検査方法で、がん細胞にだけ反応を示す特殊な薬剤を投与し、マーカー(目印)をつけていきます。専用装置で撮影を行なえば、薬剤に反応したがん細胞が識別され病巣となっている場所の特定が行なえるのです。

PET検査・数多の魅力~

がんの早期発見を行なうためにも、より詳細な情報を得ることができるPET検査は必須と言えるでしょう。この検査における4つのメリットをチェックしてみましょう!

一度の検査で全身を調べることが可能

PET検査最大の特徴は、全身の検査が1度で行なえるというところでしょう。CTやMRIなどの検査方法を行なう場合は、ある程度病巣の特定が行なわれてから始まるので、それ以外の部位に転移した病巣を見落とすリスクもありました。しかしPET検査であれば、一度で同時に全身の検査が行なえるので、リスク回避が可能となります。また、がんの進行度(ステージ)を判断する場合や、再発の監視のためにこの検査が行なわれることもあります。

身体的負担の軽減

患者にとって、痛みを伴う長時間の検査は、心身ともに負担が大きいのですが、PET検査であれば検査薬の投与後は、1時間程安静にしてもらい、それから30分程の撮影だけで検査が終了します。これらの工程は診察台で横になりながら受けるので、負担を感じることもほとんどありません。また、検査による放射線の被ばく量は、人体への影響が無いと考えて良いレベルとなっています。

良性と悪性を的確に識別

がん細胞は、ブドウ糖を主なエネルギー源として増殖を行なっていくので、PET検査ではその原理を利用して、ブドウ糖と放射性物質を合わせた検査薬「FDG」を投与していきます。がん細胞は、正常な細胞の3倍~8倍ものブドウ糖を必要とすることが分かっており、このFDGを多く取り込む部分こそ、がんの病巣として識別することができるのです。また、ブドウ糖を取り込んだ量から活動レベルを判断することができるので、良性か悪性なのか調べることもできます。

副作用が強い抗がん剤の治療効果の判定にも有効

抗がん剤を使った治療では、どうしても副作用を避けることができません。しかし、PET検査を治療に活用することで、副作用による負担を軽減することができるようになりました。がん細胞の活動レベルと、FDGの取り込み量を精査することで抗がん剤の効果の有無を判断することができるのです。PET検査を活用することで、より良い治療方針に切り替えていくことも可能なのです。

PET検査のネック~3つのウィークポイント~

がん細胞の早期発見に役立つPET検査ですが、画像の鮮明度がCTやMRIよりも低いので、異常を特定することに関しては効果を発揮しますが、病巣の正確な位置の特定には向かないという弱点があります。よって、より精密な検査を行なうためには、CTやMRI検査の併用が必要となってきます。近年では、PETとCTを同時に行なうことができる、PET-CT機器の登場により検査時間の短縮も可能になっています。

部位によって発見しにくい病巣が存在する

PET検査で使用するFDG検査薬は、がん細胞の活動以外にも反応してしまうことがあります。その原因は、検査薬に含まれるブドウ糖にあります。ブドウ糖は臓器のエネルギー源となるので、脳や心臓でも取り込まれてしまいますし、検査薬の排出に伴い通過する腎臓や膀胱でも反応してしまいます。また、炎症が起こっている部位でもブドウ糖の取り込みが激しくなるため反応してしまいます。このような現象によって、PET画像単体でのがん細胞の特定が難しくなってくるのです。

発見できるがんの種類に限りがある

PET検査を利用すると、高密度に集中したがん細胞の特定は容易になっていますが、広範囲で低密度に広がったがん細胞の特定は難しくなっています。また、FDGの取り込み量が少ない、高分子がんや、高分化型の乳腺がんや肺腺がんは、他の検査と併用することが必要です。全てのがんを特定できる機器は、現時点で開発されておらずそのため複数の検査を行なう必要性があるのです。

PET検査は健康保険が適用される

今まで行なわれていたPET検査は、自由診療のため施設ごとに費用が異なりましたが、平成22年4月から健康保険が適用されるようになり、3割負担の検査費用を払うことで受けることができるようになりました。
検査内容は、病院や検査を行なう機関によって異なるため費用に差があります。ですが、平均的な検査コースを見ると、全身を調べるスタンダードな検査では、1回あたり10万円前後の費用となっています。より詳細な検査を希望する場合は、オプションの追加を行なうこともできます。そうなった場合は、検査費用もスタンダードコースより高額になっていきます。検査費用の支払いは、カードや分割でも対応してくれる機関があるので、事前に確認しておきましょう。